「TaskChute Cloud」で「マニャーナの法則」に徹底的に基づいてタスクを処理した1分単位の行動ログを晒す

「TaskChute Cloud」で「マニャーナの法則」に徹底的に基づいてタスクを処理した1分単位の行動ログを晒す 3 活用事例

私の愛しいアップルパイへ

ドイツ・ベルリンに移住してから何かと慌ただしい生活が続いていたのですが、無事にビザも取れたことだしとマーク・フォスター氏の「マニャーナの法則」(原題:Do It Tomorrow)を手に取りました(2年前に出た「完全版」の方です)。

本書は時間管理・タスク管理の教科書のような一冊としてよく扱われるのですが、不思議と今まで読んだことがありませんでした。なんとなく全体像は分かっていたので手に取るタイミングを逸していたのでした。

半年前とは環境が大きく変わり、生活も落ち着いてきたので再入門の気持ちで本書を手にとったのですが、やはり名著とされているだけありました。私はこの本から素晴らしい霊感を受け、溌剌とした毎日を送っています。

TaskChute Cloudでマニャーナの法則を実行した日のログを晒す

かくして私はちょうど昨日マニャーナの法則を読み終えて、早速本書の内容に本格的に取り組むことにしました。幸いだったのは私がTaskChute Cloudを持ち合わせていたことです。

というのも、このツールはもともと私が敬愛するシゴタノ!の大橋悦夫さんが考案された「タスクシュート時間術」をWeb上で実行できるようにしたツールなのですが、大橋さんの考える「タスクシュート時間術」と「マニャーナの法則」には通ずるものがあるからです。マニャーナの法則を実際に生活に取り入れるのに、TaskChute Cloudを使える私にとってはほとんど難しいことはありませんでした。

昨日、「マニャーナの法則」を読み終えた記念にと、さっそくマニャーナの法則に徹底的に基づいて生活してみた次第です。その起きてから寝るまでの1日の行動ログをTaskChute Cloudで記録した結果が以下の通りです(画面はTaskChute Cloud)。

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せっかくですからいくつか「タスクシュート時間術」×「マニャーナの法則」を実践する上で考慮したことをご説明しましょう。

朝4時に起きてファーストタスクで5分ダッシュに取り組む

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まずもって重要なのは一日を始める前に今日一日のやることリストを作ることです。これを「マニャーナの法則」ではTODO LISTに対するWILL DOリストと読んでいて、本書の最重要概念となっています。昨日は朝起きて洗顔などを終えた後に「日次スタート」としてWILL DOリストの作成に取り組んでいます。

WILL DOリストの全体像は前日にできているので、ここでは微調整してWILL DOリストを確定させます。

また、マニャーナの法則では最も頭が冴えていて、誰にも邪魔されない時間帯を「ファーストタスク」と呼び、最重要な時間帯と位置付けています。ここで、今一番気になることや、いつかやりたいと思っていたこと、緊急性はないが重要性の高いことに手をつけることが生産性を高めるコツです。

いつもは主に自作曲の作曲とブログの執筆のためにこの時間帯を使っていたのですが、マニャーナの法則を読んだのでなるべく多くの重要タスクに5分ずつ取り組む時間にしてみました。これを私は5分ダッシュ・ローラー作戦と呼んでおり、今日手をつけたい重要タスクに片っ端から5分ずつ手をつけていきます。もちろん5分ダッシュ中はタイマー必須です。

ポイントはは5分と極めて短い時間で区切ることで高い集中力を維持することと、短い時間に設定することでタスクへの着手ハードルを下げること、そしてタスクを中途半端にしておくことで「完成させたい」という衝動を高めて生産性を引き出すことです。

起きて1時間のうちに重要タスクのほとんどに手をつけて、あえてなるべく多くのタスクを”やりかけ”状態にしたこと、タスクを完成させたい衝動から高いエネルギーを引き出せたのが昨日の一番のハイライトでした。

なお、当然5分で終わらないタスクも出てくるので、それらは10分、15分と5分ずつ時間を伸ばして別のタイミングで続きに着手していきます。

1時間に1回は10分ほどの休憩を入れる

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マニャーナの法則でも注意点として挙げられていますが、定期的に休憩を取ることは一日通して生産的に動くための必須事項です。

休憩は疲れたら取ろうと思ってるとなかなか取れないあげく、疲れを自覚した時にはもう手遅れってことも少なくありません。なので大切なのは疲れる前に休憩を取っておくことです。

この塩梅がなかなか難しいので、私は毎時0分〜10分は強制的に休憩時間として休むことにしています。休憩はあらかじめTaskChute Cloudにルーチン登録されており、時間になったら通知がポップアップされるようになっています。

休憩時間は何をしてもいいのですが、だいたいいつか読もうと思っていた本を読むか、軽く外をぶらついたり、動画を見たりしています。

ファーストタスクの後は時間をかけてタスクを処理

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一通りファーストタスクを終えた後は、5分ダッシュで終わらなかったタスクに手をつける時間です。だいたい8時から10時くらいまでをその時間として割り当てています。

昨日はミーティングが多かったためほとんどミーティングになっていますが、普段はこの時間で5分ダッシュで終わらなかったタスクを交互にこなしていきます。ここでも1つにかかりっきりになるのではなく、10分ずつ着手、15分ずつ着手と、少しずつ時間を伸ばしながら高度にタスクをこなします。こうすることで短時間のうちに何度も締め切り効果を得られるためです。

昼食後はインプット時間

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昼になったら野菜とフルーツを中心に食事をし、食後は仕事から手を離します。というのも、4時から働いていると12時になったときには8時間働いているわけで、午後には明らかにガス欠になるためです。

この時間帯は主にインプットに当てていましたがなかなかしっくりくる使い方がなく悶々としていました。ときおり数時間昼寝してしまって、生活リズムを乱してしまうこともありました。それが、ベルリンに来てからこの時間帯にドイツ語の語学学校に通うようになり、大変いい感じにピースがハマりました

学校だと人の目もあるので眠気に負けることがなく、効率的なインプットができ、自宅兼ホームオフィスの私は外出する良い機会にもなるので良いバランスが取れています。フリーランスや自営業の方にオススメです。

夕方は運動時間

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学校は1時〜16時までの3時間なので、帰宅したら夕方です。夕方は運動にあてます。学校から帰るときはウォーキングがてら歩きで帰るようにしてウォームアップし、帰宅したらすぐに着替えて軽い筋トレをこなします。

その後、軽いランニングをして活力を取り戻します。ランニング後には近くの川や公園に軽く散歩に行き、リフレッシュタイムとしても重宝しています。ベルリンは緑豊かで外を走ったり歩き回ったりするのが良い楽しみになっています。

夜は軽く仕事してから夕食へ

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日中に追加で入った仕事や、やり残した仕事がある場合には、ランニング後に一時的に頭が冴えるのでここでこなします。この時間帯には極力仕事を入れてはいけません。「マニャーナの法則」にある通り、日中に追加された仕事は基本的に「明日やることにする」のが鉄則です。さもなくば働きすぎて翌日に影響が出てしまいますから。

とはいえ、昨日は残念ながらいくつか仕事が残っていたのでこの時間帯に処理しました。ミーティング時間の見積もりを少なくしすぎて溢れてしまったのが原因です。

夜の寝る前は趣味の時間にあてて22時就寝

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夕食後は食後の倦怠感もあり、4時起きの疲労感も溜まる頃なので、無理せず2時間ほどを趣味の時間にあてます。ゲームや映画鑑賞、語学の勉強など好きなことに時間を使ってます。

そして22時に就寝です。22時就寝が生産性の要なので、ここは死守したいところです。

「タスクシュート時間術」×「マニャーナの法則」のポテンシャルの凄さ

昨日は圧倒的な行動量を発揮することができて、いつも以上に1日通してエネルギーに溢れた時間を過ごせました。これほど気持ちの良い日も珍しいものです。

とはいえ、最初からこのようにタスクシュート時間術を実践できていたわけではありません。なにせタスクシュート1日目はタスク数2個だったのですから。

なので焦らずじっくり、自分のできる範囲から始めてみてください。

タスクシュート時間術、TaskChute Cloud、マニャーナの法則の組み合わせは素晴らしく、実践すれば時間管理・タスク管理のレベルを完全に別のレベルに引き上げてくれると確信しました。ぜひお試しあれ。

→ マーク・フォスター氏の「マニャーナの法則」(原題:Do It Tomorrow)

「そうすると、あなたは”行動至上主義者”ってわけ?アイデアや発想やひらめきや思考、戦略や構想や想像力は二の次かしら?」

女はピースの形をした両手を頭の横に置くと、大げさに人差し指と中指をクネクネと動かしながらそう言った。

「そういうわけじゃない。答えは私もいま探してるところだ。」

たっぷりと皮肉のこもった質問を唐突に投げかけられた男は、ゆっくり女の方へ顔を向けた。男はわざとらしく右の眉毛だけピクリと上下に一往復させると、フフと笑ってこう続けた。

「だから、プディングの味は食ってみれば分かるってことさ。」

男は視線を落とすと議論する気はないと言うかのように、机の上の本(それはエルンスト・ゴンブリッチの「美術の物語」だった)をペラペラとめくりながら呟いたのだった。

貴下の従順なる下僕 松崎より