私の愛しいアップルパイへ
先日『「やりたいこと」なのに続かない、という人のための習慣化講座』という実に甘美なオンライン講座を企画して、開催いたしました。当講座には400人を超えるお申し込みがあるほど好評となりました。
また、講師が心理学や習慣化を専門とするビジネス書作家の佐々木正悟さんでしたから、実にエキサイティングなお話を聞けました。私は企画者ではありましたが、熟練のテノール歌手のように滑らかかつ成熟したお話に、一受講者のごとくワクワクしながら講座を聞いておりました。
内容がたいへんすばらしいものでしたから、その一端だけでもあなたにお伝えできればと筆を取った次第であります。
そういうわけですから、今日から何回かに分けてこの講座から習慣化のコツについて私が発見したことを文章にまとめていきます。当講座を受講されたのであればもちろんのこと、もし受講されていなくとも読んでためになるよう努めますから、どうかお付き合いいただければ幸甚です。
特に講座のタイトルにもあるとおり、やりたいことであるにもかかわらずなかなか続けられないという悩みをお持ちであれば、きっと何かしらの発見があるはずです。
講座についてこういった個人的なまとめを記すことは講師である佐々木正悟さんに許可はとっていますが、内容は私の個人的解釈が多分に含まれますのでその点はご容赦ください。もし内容に誤りがあったり、およそ受け入れがたい不愉快な内容があった場合などは、すべてこの記事の著者である私の責任でございます。
そろそろあなたも退屈を感じてきたころ合いでしょうから、挨拶はこのくらいにして本題に入っていくこととしましょう。
やりたいことがなぜか続かない?
当初、この企画を考えるにあたって主要なテーマとして設定したのは「やりたいことにもかかわらず、なぜだか続かない」悩みでした。これは私自身が長らく向き合ってきたテーマでもありました。
たとえば、私はいまから10年ほど前、嫌々ながら会社に通うサラリーマンであったころの話です。私は自らが率いるロックバンドのための新曲を制作していましたが、これが遅々として進まないのです。曲を作るのは間違いなく私の生きがいの1つで、他のどんなことより楽しいと思えることの1つでもありました。
しかもそれは15才のころから10年近く続けてきたライフワークでもあったはずなのですが、どうにもやる気が出ないといいますか気が乗らないといいますか、重い腰が上がらないのです。作曲がこの調子ですから、ランニングをするとか瞑想をするとか貯金をするとか、一般的によい習慣と思える数々のことを実践するのは到底無理に思えました。
そういった具合ですから、私は鬱屈として退屈な日々に倦んでいました。これはけっしてオーバーな表現ではないのですが、私は人生を諦めかけてしまうほどの問題でもあったのです(幸い私はそれから健やかに成長し、今こうしてあなたとお話しできるようになったのですから、人生ってのは慈愛に満ちたものです)
仕事が忙しすぎて時間がなかったかというとそういうわけでもなく、カレンダーどおりに週末と祝日にはしっかり休みを取れていました。そのうえ、会社は残業とコストの増加に課題意識を持っていたので、以前より勤務時間はずっと短くなっていたのです。
それに輪をかけて奇妙に思えたのは、毎日のように好きでもない仕事のために朝から会社に通うのは問題なく継続できていたことです。それは間違いなくやりたいことでも、楽しいことですらなく、作曲よりもずっと難しい習慣のように思えました。
これは傍目には滑稽なようでいて、一方で本人としては実に切迫感のある問題でもありました。
この問題に私は何年も悩まされましたけど、当時の私が今回の講座を受講していたならただちに疑問が氷解していたに違いありません。そして、同じような問題を抱えている人にはきっと人生を変えるほどのインパクトを与える内容でもありました。
プロローグはここまでにしておきましょう。
これから習慣をめぐるエキサイティングな冒険へともに旅立っていきます。これからの連載をお楽しみに。
貴下の従順なる下僕 松崎より