悪癖を断つにはまず代わりになることを見つける

悪癖を断つにはまず代わりになることを見つける 習慣化のコツ

私の愛しいアップルパイへ

悪癖をやめるのは難しいです。やめようやめようと思っていると、返ってそのことに意識が向いてしまいやりたくなるからです。なんたる皮肉!

「考えていると実行したくなるし、考えないようにしてもやはり実行したくなるのであれば逃げ道がないではないか!」と頭を掻きむしりたくなる気持ちでしょうか。

あなたは運がよいです。私がここにいるのですから。

悪癖を断つにはまず代わりになることを見つける

なぜ何かをやめることがこんなにも難しいのでしょうか。

何かをやめること、何かをしないでおくことには、持続的な努力が欠かせないため、多くの意志力が必要になるからです。

人は「考えないようにする」ことが特に苦手です。ダニエル・ウェグナーの皮肉過程理論(シロクマ問題)によれば、考えないようにするには定期的に“考えていないことを監視“する必要があるからだそうです。1

考えていないことを確認するには、考えていないことを監視する必要があり、その過程でそれについて考えねばならなくなるという訳です。

禁煙であれ禁酒であれ、ただ悪癖を断とうと考えていると、そのことについて考えずにいられなくなるということです。

ではどうすればよいのでしょうか。実は抜け道は簡単なところにあります。

「他のことを考えること」です。考えないことではなく、他のことを考えることで考えないようにするよりもずっとうまく対処できます。

悪癖を断とうとするとき、ただやらないように努力するのではなく、代わりに他のことへ取り組むことでこの罠に陥らなくなります。

ですから、悪癖を断とうと思ったら、まず「代わりにやること」を見つけることです。これは「プライミング効果」と呼ばれる働きの活用でもあります。

間食をやめたいと思ったら完全にやめるのではなく、ナッツを食べることにする。タバコをやめたいなら、ガムを噛むことにする。ゲームをやめたいなら、スポーツをやることにする。といった具合に特定の刺激に対する反応を刷り込むのです。

これは習慣ループにおいて、トリガーと報酬をそのままに、ルーチンだけを入れ替えることとも説明できます。

貴下の従順なる下僕 松崎より

参考文献

  1. 皮肉過程理論